淋しさを乗り切るには「宇宙との一体感」が大切だと主張している昔の中国の哲学書がある。
しかも、その一体感はひとりひとり異なるものだという。
その本は、『呻吟語』。明末の儒者である呂坤(りょこん 1536-1618)が著者である。
彼は「宇宙との一体感」すなわち「独知の契(どくちのけい)」があれば誰にも頼ることなく、一人で生きて行けるという。
依(よ)る所を広くするは、依る所をえらぶにしかず、依る所えらぶは、依る所無きにしかず。依る所無き者は、天に依るなり。天に依る者は、独知の契あり。独り宇宙の内に立つといえども、しかも孤といわず。衆、これを傾け、衆、これを毀れども、しかもために動かず。これをこれ男子という。
天すなわち宇宙との一体感こそが、誰にも頼らずに、周囲から抵抗があっても自らの道を進んでいける秘訣である。
そしてその宇宙との一体感は、自分オンリーのものであり、自分で見つけるしかない。
たとえば、瞑想や心の持ち方を人や動画で学んだとしても、それによってどう感じるかは自分にしかわからない。感じ方は人によってさまざまだ。
こうして自分独自の宇宙との一体感をつかんでいれば、たった一人でもさびしくないし、他の人から何を言われようと平気になれる。
それが「独知の契」なのだ。
